NPO法人江戸琳派継承会

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ごあいさつ Greetings

酒井家七代目 酒井抱美

このNPO法人江戸琳派継承会は、日本美術の貴重な財産である江戸琳派を継承・発展させ、ひいては日本文化の発展に寄与することを目的として、二〇一三年一月2013年1月に立ち上げました。

私の本名「美伸」は、祖父で酒井家五代目の「抱祝」が命名しました。その心は、美しく伸びるということではなく、行く行くは美術の世界で活躍して欲しいとの願いを込めて付けられた名前です。この事は、抱祝亡きあと一緒に暮らした祖母「スガ」より常々聞かされて育ちました。酒井家の先祖の為、そして江戸琳派の継承と発展の為に、尽力していく所存でございます。

大きな目標としましては、酒井抱一の住居兼画房「雨華庵」の再建があります。また、直近の目標として、二〇二八2028年に江戸琳派の祖・酒井抱一の没後二百200年の記念行事を計画しております。これに関しましては、追ってご報告させて戴きます。

皆様方のご指導、ご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。

NPO法人江戸琳派継承会理事長 酒井家七代目 酒井抱美 (本名・美伸)

五代目 雨華庵 酒井抱祝とスガ

江戸琳派とは About “Edo-Rimpa”

桃山〜江戸時代初期に、京都・鷹ケ峯芸術村を舞台に、本阿弥光悦・俵屋宗達を中心に、平安時代の王朝芸術のルネッサンスを目指して編み出されたのが琳派芸術の始まりです。

その後、元禄年間頃に京の呉服商雁金屋の次男、尾形光琳によってその美意識は引き継がれ、芸術性とデザイン性を合わせ持つ独自の世界を築き上げました。

今日使われている琳派の「琳」は、光琳の名前に由来しています。

尾形光琳が没して、その約100年後の文化文政年間、江戸・根岸の里に居を構えた酒井抱一は、光琳作品に憧れ、光琳に私淑の念を抱き、研鑽し、その美意識を自らのものにしました。俳味を取り入れ、洒脱で詩情性豊かな抱一流の琳派芸術は、京都の「雅」に対して、江戸の「粋」を感じさせるところから、昨今では「江戸琳派」と呼ばれるようになりました。

酒井抱一の門下には、鈴木蠣漂(れいたん)・鈴木其一・池田孤邨・酒井鶯蒲(おうほ)・山本素堂・守村抱儀・水上景邨・田中抱二など、数多くの弟子が集い切磋琢磨し合い、近世から近代へ繋ぐ美術史上重要な役割を果たしました。

雨華庵の歴史 History of “Uge-An”

文化六(一八〇九)年十二月十五日文化6(1809)年12月15日、抱一四十九49歳の時、下谷金杉大塚村(現在の台東区根岸5丁目付近)に住居兼画房を構え、その後、文化十四(一八一七)年文化14(1817)年頃から「雨華庵」と称するようになりました。「雨華庵」は、慶応元(一八六五)年八月二十一日(1865)年8月21日 火災で焼失。諸説あるようですが、「雨華」とは大願成就した際に雨のごとく蓮華の花びらが天から舞い落ちてくる有り様を現しているとの意味が込められております。

明治16(1883)年の秋夜、72歳の田中抱二が往時を回顧して
描いた雨華庵の見取り図(伊藤哲模写)。
田中抱二は、13歳から
抱一が亡くなる17歳までの間、門人として雨華庵に通った。
雨華庵跡地に立てられた解説板
東京都文京区根岸 雨華庵跡地
酒井抱一墓の解説板
築地本願寺 酒井抱一墓

酒井抱一と
酒井家の系譜
Family Tree of
Sakai Hōitsu

酒井抱一は、宝暦十一(一七六一)年七月一日宝暦11(1761)年7月1日、姫路城主 酒井雅楽頭(うたのかみ)家の次男として江戸小川町で誕生しました。

三十七37歳の時に江戸に下向していた西本願寺十六16世の文如上人によって得度し、僧籍に入りました。その翌年より「抱一」と号し、書、画、俳諧に風流三昧の日々を過ごし、自由な文人としてその生涯を送りました。絵は、はじめ狩野派に学び、その後は浮世絵、円山派、土佐派、沈南蘋などの当時の諸流派を遍歴しましたが、最後には光琳に帰向して、その画風の再興を自らの使命として画境を極めました。代表作には、重要文化財「夏秋草図屏風」があります。

鈴木其一筆 酒井抱一像
(伊藤哲模写)

初代 雨華庵 酒井抱一(さかいほういつ) 1761〜1828年 享年68歳
(宝暦11〜文政11年)

石垣抱真(いしがきほうしん) 1791〜1856年 享年66歳
(寛政7年~安政3年)

二代目 雨華庵 酒井鶯蒲(さかいおうほ) 1808〜1841年 享年34歳
(文化5年~天保12年)

山本素堂(やまもとそどう) 生没年不詳

野崎真一(のざきしんいち) 1821〜1899年 享年79歳
(文政4年~明治32年)

三代目 雨華庵 酒井鶯一(さかいおういつ) 1827〜1862年 享年36歳
(文政10~文久2年)

斎藤一蒲(さいとういっぽ) 生没年不詳

四代目 雨華庵 酒井道一(さかいどういつ) 1845〜1913年 享年69歳
(弘化2年~大正2年)

山本光一(やまもとこういち) 1843?〜1905年?
(天保14年?~明治38年?)

遠藤亮一(えんどうりょういち) 生没年不詳

五代目 雨華庵 酒井抱祝(さかいほうしゅく)(唯一(ゆいいつ)) 1878〜1956年 享年78歳
(明治11年~昭和31年)

六代目 雨華庵 酒井抱道(さかいほうどう) 1917〜1995年 享年77歳
(大正6年~平成7年)

酒井家七代目 酒井抱美(さかいほうび) 1952年生
(昭和27年生)

江戸琳派
継承会活動
Our Activities

江戸琳派の伝統の継承と発展を
めざした主な活動

江戸琳派の祖・酒井抱一の
没後200年記念取り組み

2028年江戸琳派の祖・酒井抱一の没後200年を記念しての取り組みを予定しております。
詳細につきましては、追って発表致します。

江戸琳派ゆかりの地復興へ

2016年5月26日産経新聞にNPO法人江戸琳派継承会の活動が掲載されました。

NPO法人江戸琳派継承会×
池袋コミュニティカレッジ特別講座

池袋コミュニティカレッジで酒井抱美・伊藤哲による「江戸琳派」に関する特別講座を行いました。

郡山開成学園
「江戸琳派絵画作品展」企画展示

2017年10月7日・8日「江戸琳派展」「鳥文斎栄之展」を学校法人郡山開成学園で企画展示を行いました。

雅号「雨華庵」継承画家
伊藤哲
Satoshi Ito as “Uge-An”

卓越した技術と表現力が認められ、
酒井家七代目の酒井抱美の意志により、
雅号「雨華庵」を二〇一六2016年に襲名

東京藝術大学大学院版画専攻修士課程修了、株式会社電通に入社して4年間広告アートディレクターを勤めた後に日本画家を志し退職。

「伝統の継承と挑戦」をモットーに創作に取り組み、国内外での個展を中心に活動を続ける傍ら、金刀比羅宮干支絵馬(十二支)・長徳寺(千葉県)須弥壇蓮華絵図・大寶寺(福島県)仏涅槃図・浄光寺(福島県)飛天散華図等の制作を行う。二〇一三2013年に酒井抱美と邂逅して以後、NPO法人江戸琳派継承会に参加。

江戸琳派の精神を継承する画家として、二〇一六2016年に雅号「雨華庵」を襲名。

伊藤哲作品紹介 Works